かつてのスキー熱と観なかった映画

最近、観ようと思って観なかった映画、「バブルへGO!!」。なんでこんなの?と思う人も多いと思われるだろうが、私の興味はただ一つ、あの「私をスキーに連れてって」のホイチョイ・プロダクション馬場康夫が久々に撮っているという事だけである。この人を「映画監督」と定義するのかというところも問題有りかもしれないし、映画好きな人からすればなんじゃそりゃって感じかもしれない。しかし、私にとってはそんな「映画」としてよりも一つの「時代」としてなぜか忘れられないのである。
1980年代の後半に「永遠の二分の一」という佐藤正午原作・根岸吉太郎監督の映画があったのを覚えている人はいるだろうか?当時学生だった私はかなりの期待をして観に行ったのだ。内容はもうすっかり忘れてしまっているが、確かちょっと期待はずれで見終わった後に少々がっかりしていたはずである。しかしその時に同時上映で強制的に「私をスキーに連れてって」を見せられたのだ。そのあまりに脳天気な話の脳天気な映画に、観終わった後に「なんじゃこりゃ」と色々な意味で驚きしかし純粋に楽しんだのを思い出すのだ。
バカで乗せられやすい私は、それまで「北海道を離れたらスキーなんかやらねぇよ」なんて言っていたのをすっかり忘れ、またぞろスキーを始めてしまったのである。思えばあの頃はバブルだったし、スキーも盛り上がっていた時代だったのだろう。今日はAPPI、明日は蔵王、明後日は雫石。挙句の果てにはリステル猪苗代でW杯のモーグルを観て、あまりに興奮したのでナイターでもコブ斜面が滑れた栗子国際スキー場へ、などという一日にスキー場の連荘なんて事までやっていた。本当にバカである。ホイチョイから「極楽スキー」なんていう本も出ていたのを覚えている人なんているかなぁ?そんなこんなで「バブルへGO!!」を観に行こうかな?と思ったけれど止めた。今週から「明日へのチケット」が上映されているから、それを観に行く。