渋滞と『叫』

並ぶのが嫌いである。
札幌市内は今、夜になるとテレビ塔横を走る石狩街道の工事の為に3車線から1車線になっている。そしてこの通りは深夜12時頃でもすすきのからの帰りのタクシーと合流するため結構な渋滞となるのだ。まぁしかし渋滞と言っても都心に比べれば「屁」みたいなもの。だから全然大した事ない。東京の人ならこれくらい渋滞なんて言わないだろう。でも並ぶのが嫌いな私はイライラするのだ。何が嫌いって車だろうがラーメン屋だろうが並ぶのが大嫌いなのだ。並んで旨いラーメンを食べるくらいなら、カップラーメンでも食った方がましである。


で、シアターキノに行って来た。ここは良い映画館なんだけれど、上映前に小さなロビーでちょっと並んで待つのが嫌なのだ。ほんの少しの時間なんだけれどもなんか嫌なのだ。しかも私が観ようとしたものに限って混んでいる。いくら並ぶのが嫌とはいえ、その代わりも無い事だから大人しく並んではいるのだけれども、平日の昼間に大半が女性客の中に男一人はちょっと辛いのだよ。まぁそんな事は言っていられないんだろうけれども・・・。


それで観て来たのは、黒沢清監督の『』。
ちょっとした感想。
ちょい役のオダギリジョー葉月里緒奈の演出に少々首を傾げざるを得ない所はあったのであるが(前者は何もやっていないし、後者は何かをやろうとして空回りしている感は否めない)、そんな些細な事はそれほど重要なことではないのだろう。それよりも、同一カット(ワンカット)で撮らなければならない所、あるいは安易に寄ってはいけないカット、言い換えれば、見せなければいけない所と見せてはいけない所、そこにどうこだわるか、その重要性をどう認識しているか、そこが監督としての腕の見せ所(というよりも資質と教養の問題)なのだと私は常々思っているのであるが、それを巧みにそして意識的に演出しているところがなんとも「黒沢清監督やるなぁ」という感じである。もう完全に「黒沢」といっても「明」じゃなくて「清」の時代なのだ。
とかなんとか青臭い事を書いたけど、ミステリー嫌いの私にも単純に楽しめた映画だった。そして何よりも子犬のような小西真奈美が可愛いかった!ラブシーンで脱いじゃうんじゃないのかとドキドキしちゃいました。