地デジと『殯の森』

昨日、NHKBShiカンヌでグランプリを取った『殯の森』をやっていた。最近地デジ対応のでかいテレビを買ったのに見るのはもっぱら朝のMLBばかりだったので、たまには映画でも見ようと好きでもないのに河瀬直美監督の映画を観たのである。


この映画でこのカットがどうだとか、演出がどうだとか言うのは全くの無意味な事だと思う。良くも悪くもそういう範疇の映画ではない。演出等の方法論として共感するところは無いではないのだけれど、基本的にこれは私の考える「映画」では無い(『それじゃお前の考える「映画」って何なんだよっ』と言われるとそれまた困るのだけれども)。この映画の根底に流れているのは、映画としての「魂」ではなく、河瀬直美の人間としての「怨念」のように感じられるのだ。それが是か非かの判断は私にはできないのだけれど、そういう映画が好きか嫌いかで言えばはっきりと嫌いである。また、森の中で携帯が一瞬通じてすぐに途切れるというシーンで、真千子が携帯を振るという演出があったが、これは拙かったんじゃないのかなぁ?こういう紋切り型の芝居はしないというのがこの監督の唯一といってもよい優れた点だと思っていたのだけれど、このシーンでそれまでの緊張感が一気にそがれてしまった。こういうのって大事だと思うんだけど、それって神経質すぎるのかな・・・。


ところで、明日もイチローはヒットを打つだろうか?

においと『ナビゲーター・ある鉄道員の物語』

今日は朝の五時に起きねばならなかった。辛かった・・・。そんなことはどうでも良いのだ。さっさと所用をすませ朝のワイドショーなんぞを眺めていたら映画『歌謡曲だよ、人生は』の紹介をやっていた。この映画もあながち知らないでもない人がオムニバスの一編を監督しているので、おすぎがなんてコメントするのかちょっと興味深く見ていた。するとまぁこれがボロクソ。司会の小倉某氏にいたっては、「なんでこんな映画を紹介するの」とまで言う始末。まだ観ていないけどそんなに酷いのか・・・。でもつまらなそうな「におい」もプンプンするんだよなぁ。
「におい」といえば、先日とあるラーメン屋に行ったのだ。そこで豚丼と醤油ラーメンのセットを食べたのだけど、そのラーメンの不味い事・・・。豚丼はまぁまぁ美味しかったけど、これじゃラーメン屋じゃなくて豚丼屋だよなぁと思ってしまった。しかし問題はそんな事じゃない。不味いラーメン屋は必ず獣のような「におい」がするのはなぜだろう?これって、何かの下処理の問題なのか?豚骨系のお店に多いような気がするけど、豚骨系のお店が全てその「におい」がするかというと必ずしもそうでもない。なぜだろう・・・。


で、ケン・ローチの『ナビゲーター・ある鉄道員の物語』を観て来た。札幌駅北口の映画館「蠍座」はこういうなかなか渋い映画を上映してくれるので非常に重宝している。この映画も小さく地味な作品だけれどケン・ローチらしさは十分に発揮されていて改めて監督の力量を感じさせられた。特にこの手の結末で、あのようなぶっきらぼうにも感じられるエンディングはなかなか出来るもんじゃない。しかし、このブログで何度も書いているのだけれど、基本的には社会派で地味でお堅いケン・ローチは好きじゃないんだよなぁ。でもなぜか映画を観ると毎回納得させられてしまう。う〜ん。

GWと『バベル』

GW前半は編集作業で昼も夜も無い生活で、しかもパソコンに向かう以外は寝るか食べるというこれ以上ない不規則な生活を送っていた。後半は一転して朝から毎日小銭を握り締めゴルフの練習。幼馴染でもありゴルフの師匠でもあるO氏の教えを少しでも身体に叩き込むべく打ち込み。そのせいか今週はずっと筋肉痛。たかだか一日200球くらいを数日打っただけでこんなになるなんて、ジジイだ・・・。
それにしても今これを書きながら隣のMacで先日頼まれていたPVをDVDに焼いているんだけど、遅い。20枚焼かなきゃいけないんだけど、これじゃいつになったら終るんだか・・・。


で、『バベル』を観てきた。
辛口で言えば「深いように見えて意外と底が浅い」そして「形が先に在りき」だな、というのが感想。もちろん悪い映画という訳ではないのよ。ただ、どっちかに(どっちかという表現も曖昧だけれど)もっと振り切れたら凄いモノになったのでは?という感じがちょっとしたのです。それと、自分が日本人だからか特に日本編で気になる所がいくつかあった。まず、役所広司の役名がヤスジローというのはどうなのよ?ここ20年以上外国の監督が小津安二郎へのオマージュだかなんだかやたらと「小津小津」というのにも流石に飽きてきた。最近はそれを聞くとオマージュというよりも逆に安直にすら見えてくる。日本編のスタッフにちらほら知っている名前があったのだけれど、「『ヤスジロー』というのはいかがなものか?」と進言すれば良かったのに、と思ってしまった。それとさ、ラストカットの移動での高層ビルのショットもなんか違和感を覚える人いないのかなぁ・・・。まぁ、一観客の独り言でした。

名前が無い

先日の相棒との取材での続きです。
取材先に向かう途中に、とある「ループ橋」がある。以前私が撮影でも使った事のある橋なのだけれど、ふとした会話の中で、その正式な名称は何なんだろう?と私たちの間にちょっとした疑問が湧いた。相棒はさすがは元新聞記者だけあり何事も徹底的に調べなければ気が済まない。砂川から歌志内に行く途中にその「ループ橋」によってみようという事になった。
一昨年以来久々に「ループ橋」に着いてみれば、相変わらず立派な橋にもかかわらず交通量は全くない。私たちがそこにいた間、見事に一台も車が通らない。この橋ってなんのために造られたんだよ!?しかし、「こういう橋というのは造るのはすんごい面白いんだよ」と今では某大学で哲学関係の助教授(今は准教授って言うのかな?)をしているが、かつては何故か道路を造る事を生業としていた先輩が言っていたのを思い出した。「そりゃこんな大層な物を造るのはさぞかし面白いだろうけど、橋造りは趣味じゃできないだろうしなぁ」などとバカな事を話しながら欄干の橋の名前がついている看板の所へ行ってみた。すると看板らしき鉄板はあれども名前は無い。だからといってイタズラで外されたような跡もない。なぜだ?普通ならどんなしょぼい橋だろうと名前はついているはず。私と相棒の疑問は膨らむ。噂によると25億も税金をかけて造ったらしいのだ。しかし「名前は無い」だと!あのスーパーゼネコン鹿島建設が造ったらしいのだ。けれども「名前は無い」のだ!何度も言うようだけれども、すんごい立派なループ橋なのに「名前は無い」。忘れただけなのかぁ。んなわけねぇよなぁ…。
ちなみに一瞬、これをネタにドキュメンタリーでも撮ってやろうかなとも思っちゃいました。でも儲かりそうもないな…。



佐分利信はセコかったのか

昨日は主に相棒の取材で歌志内、芦別方面へ行って来た。行く途中に国道275号線にあるちゃんこ屋(うどん屋?あるいはそば屋?)に寄って朝飯兼昼飯を食べる。この店、なかなか入りづらい感じでちょっと暖簾をくぐるのに勇気が入ったのだが、いざ入ってみると全くそんな感じは無く、気さくなおばちゃん一人が切り盛りしていた。で、私はかしわそばを相棒はいなかうどんを食してみた。どちらも手作り感たっぷりでガツンとくるお味でした。本当はちゃんこを食べたかったんだけど、さすがに午前中から鍋はね・・・。
その後、歌志内の図書館に行く。歌志内の図書館は市の財政悪化のあおりで暖房も満足に焚けないらしい(職員のおばちゃんがそう言っていた)。四月半ばとはいえ北海道歌志内はまだ雪が残っているので寒いのだ。そこで相棒は何やら数冊の資料を積み上げて調べモノをしていた。退屈な私も相棒が積み上げている資料の一冊に歌志内の住職相河悳昭の自伝があったのでそれを読んでみた。するとそこに、かつて東京歌志内会というものがあったのだが、その会に入っていた歌志内出身の俳優佐分利信が会費を払うのが嫌だとゴネたところから、「それじゃそんなものはやめてしまえ」という事になり、それ以来東京歌志内会というのは解散してしまったと書かれている。私は思わず笑ってしまったが、それにしてもこんなセコイ事が書かれているなんて、『「華麗なる一族」万俵取締役』も思わなかっただろう。

深夜にそばを啜る

昨日は友人のシルバーアクセサリーブランドMark Brothersのイベントでのドキュメント撮影。手作りのイベントだけども月光グリーンJake stone garageMidNight Deityキャプテンマッシーンと北海道ではかなり豪華なバンドメンバーも揃っていたし、協力している人々の暖かい気持ちが感じられるなかなか素晴らしいイベントでした。
まぁしかし、撮影で最前列で陣取っていた私は、若いバンドのおニイちゃん達の熱気にやられ、爆音スピーカーにやられ、最後に月光グリーンに熱狂するお客さん達に押されて踏まれて潰され、フラフラになりました。楽しかったけどね。
本番終了後もミュージシャンやスタッフの方々は打ち上げで大盛り上がりになるのでしょうが、私と相棒の二人は、深夜のしょぼくれたファミレスでそばを啜って帰ってきました・・・。


更新と断片作品

数日前より、東京から相棒がやってきている。私たちBlockhead Filmsのサイトの更新作業と今後の計画の相談なのである。引っ越したとはいえ相変わらず狭く住み心地の良いとはいえない部屋で、相棒は常人とは思えない集中力で私が寝ている間に着々と作業をしている。こんなんで良いのか?と私もたまに思うのであるが、もはや中途半端に手を出せるような状態ではなくなっている。案の定今朝も私が調子に乗って作業をしていた部分のやり方が根本的に間違っていたらしく、全てやり直し•••。まぁしかし、そんな回り道をしながらも、とりあえず作業終了。ちなみに今回の更新の目玉はグーグルアースとの連動!私には仕組みは全くわからないがちょっとした空中散歩のようです!詳しい事は相棒のブログできちんと紹介されています。



そんでもって、サイトの更新作業をしている時に、ちょっぴり昔に私たちBlockhead Filmsが撮影した作品の断片が出てきたのでここでちょっと紹介します。